プロローグ 悪意を感じる受験

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また走りだしたのだがその10秒後、後ろにいたはずの女の子はかなり遠くの方をパタパタと走っている。 「………やれやれ。俺、意外とお人好しだったんだな。」 やれやれと手を顔に当てる。 当然、独り言。 「ほら、手ぇ貸して!」 「えぇ??」 「このままじゃ受験に遅れるよ、だから、はやく。」 「………。」 女の子は耳まで赤くして、手を差し出す。 「いくよっ!」 「ひ、ひぇ~~~」 なんとか手を引かれてついてこれている女の子。 (遅刻でばったり出会った女の子の手を持って全力登校、文句無し!) これから始まる学園生活のスタートを飾る素敵イベントに柊は心踊らせていた。
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