プロローグ 悪意を感じる受験

6/7
前へ
/18ページ
次へ
「なはは~、結局俺たち別室受験だったなー」 「そうですね……でも、受験させてもらえてよかったです!」 「だな!」 全ての時間をズラして受験したため、外は夕暮れで校舎は赤く染まり、 受験から解放された学生がわざわざ残るわけもなく がらんとした校門。 「あの、君はなんで今日遅刻しかけてたの?いやー、俺は朝本っっ当にいろいろあってさー」 「母が………倒れてしまって病院で手続きなどをしていて、それで……」 「…………そっか、お母さん、大丈夫なの?」 「はい、少し疲れていただけみたいで、大丈夫です!」 予想以上に気まずい回答にうろたえたものの、 心の中でその苦労を分かち合って、この女の子特別な関係になりたい なんて下心もある柊。
/18ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加