プロローグ 悪意を感じる受験

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「合格………してるといいですね!」 「ああ、そうだな!」 暗くなった雰囲気を和ませるため、無理矢理作った笑顔で話す女の子。 「では、私はこっちなので」 と言って、女の子が柊とは違う道を指差す。 「おう、またな!」 「あの、最後に………!」 呼び止められ、振り返る柊。 「名前………教えてくれませんか?」 「うーーーん、いや!」 「えっ……」 眼が潤む女の子。 「絶対合格して、入学式が終わったらにこの分かれ道でまた会おう。同じ制服で!そこで初めて自己紹介………ってのは面白そうじゃない?」 「………はい!わかりました!」 微笑みながらそう返事をしたあと、女の子は柊が次の曲がり角を曲がって見えなくなるまで手を振り続けていた。 「……………んで、結局落ちてここにきたのか。」 「………はい。」 「えーっと、つまりカッコつけて彼女のメアドすら聞かずにそのまま会えずじまいってこと?」 「………はい。」 「それで名前見てなんとなく滑り止めとして受けたここにきたってこと?」 「………はい。」 「………………男子校とも知らずに?」 「……………はい。」 どうも、改めてはじめまして平野柊です。 僕は今、早乙女学園の姉妹校……いや兄弟校かな、青藍男子高等学校に入学いたしました。
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