塾頭、沖田総司。

12/15
453人が本棚に入れています
本棚に追加
/574ページ
今迄自分の稽古を誰より真剣に、そして対等に見てくれていた山南からのこの言葉に、少なからずソウは動揺した。 むしろ、胸の中がチクチク痛んで… 「あっ…!山南さんがソウを泣かしたー!!」 「平助五月蝿いっ!私は泣いてなんかいません!!」 恋をする、という事の辛さをこんな刻に思い知る事になるとは… 「ソウ、良く聞きなさい。君が私達と共に来る、ということは…もう嫁ぐ事を諦めたも同然です。君はまだ若い。これから良い縁談がどんどん舞い込んで来る。君は、女子である自分を…捨てられるのかい?」 共に上洛しなければ…山南とは離れ離れだし… 例え共に上洛したとしても…山南とは夫婦に成れない… 何方の道を選んでも… ソウはソウで無くなってしまう…
/574ページ

最初のコメントを投稿しよう!