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「よく覚えていてくれたねー!長調は嬉しいよ!」
こちら側の人間は皆唖然とした。
姉、という言葉が出たからなのか。それとも…?
そして一番驚いてたのは例の女だった。
そう言えばこの人もどこかで…?
「Hey!TYOTYO!Do you a get acquainted with him?」
長姉の隣にいた外人が長姉に向けて話す。英語…?少しおかしくないか?
「Yes!He's my young brother.」
「Oh!Really?…」
めちゃめちゃ話しているが長姉は聞いていなかった。
長姉はずっと俺をみていた。
「やー!けど大きくなったねー!何年ぶりだ!?けどこれで夢は叶ったものだね!」
夢?なんのことだ?
長姉はそう言うと俺に寄り添ってきた。
当然、身八は睨む。
「私と旋ちゃんが結婚するって言う夢ー!」
「はぁ!?」
思わず声が出てしまった。
けどなんだ、結婚って。
覚えがないぞ。
「忘れたのー?小さい頃のおままごとで旋ちゃんが「ぼく、大きくなったら長姉と結婚するー!」って言ってたじゃん!だから、ね?」
「おままごと!?」
あー痛い。痛いぞ、この人。
ここまで痛いとは…
この人は元々そういうところがあったが…噂に聞く静さんも特殊だったらしいけど流石人之上家。
「たぶん、それは「ぼく、ヒーローになって悪い怪人やっつけるんだ!」っていってるのと同じだと思いますけど…」
「へー。男なのに二言とか」
「二言すら許されないんすか!?」
「ちょっと、せん!結婚ってどう言うこと!?」
身八の介入。修羅場と化す。
「いや、これは」
「旋ちゃんもすみに置けないねー私と言う存在がありながらも女の子と一緒に」
「いや、せんとわたしは付き合ってますので。」
身八が言葉の最中に割り込み沈黙が訪れる。
「付き合ってる?」
壊れたおもちゃのようにカタカタさせながら長姉は喋る。
「はい。ですので邪魔しないでください。」
「ねぇ、旋ちゃん…付キ合ッテルッテドウ言ウ事?」
殺気…!?
「私と言う存在が有りながら何で他ノ雌豚ト付キ合ッテルノ?」
「あ、いや、その」
言葉が見つからない。
刺激せずにするにはどうしたら…
「あんなに好きって言ってくれたのに…ドウシテ?」
何故皆動かない!?と思って回りの人間を見たら動こうとしても動けないように見えた。何をしてるんだ?
「ねぇ…何カ言イナサイヨ!」
その言葉と同時に俺は近くの電柱に叩きつけられた。
修羅場のあとのこれ。
確実にヤバいと感じた。
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