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「大丈夫…?」
「あ、あぁ。ありがとう…助かった」
こればかりは本当に助かった。
いまはまだ平気でもこれからどうなるかわからないからな。
「はあ…うぐ…」
長姉は苦しんでいる。
「ごめん…長姉…」
俺は手をかざした。
時だった。
仲間の男が妨害してきた。
「なん…!?」
なにか英語でいっているが聞かない。
こいつ、かなり強い。
空手をかじっているがかなり苦戦する。
ドガッ 腹に蹴りが入った。
もろに喰らいよろける。
追撃がくるが避けられない。
「がはっ…」
凪は!?凪は足を元々傷ついていたので助けに来るときに更に痛めてしまったようだ。
「こんのやらぁ!」
身体を発火させる。
その芸当に相手は怯む。
火を帯びた拳を振り上げ殴ろうとしたときだった。
フッ… 火が消えた。
「な…っ!?」
何故だ!?誰がやったんだ!?
しかし男ではなさそうだ。
となると…
「私は戦いたくはありません…」
やっぱりな。
もう一人の女が犯人だった。
すぐさま手をかざした。
スパッ!! 首を斬った。
しかし女の首ではなかった。
男が庇っていたのだ。
「トニー?」
女の呼び掛けに応答せず男は倒れた。
揺さぶっているが反応しない。
そうこうしている内に今度は長姉も動き始めた。
「よくも…」
「待って、長さん」
女が割り込む。何故だかはわからないが…
「なんで止めるの!?旋ちゃんは…」
「野放しにされたトニーの死体はどうなるの?」
「そ、それは…でも!」
「いまは戦うことよりもトニーを弔うべきよ。日本人なんだから」
この人、すごくうまいけど日本人じゃないんだ。
いや、感心してる場合じゃない。逃がしてたまるか。
「あなたたちは追わないで。」
クラ… 頭がふらつく。頭痛もする。
なんだこれは?
そのまま倒れた。もちろん、まわりの人間もだ。
「じゃーね、旋ちゃん」
最後にそう聞き俺は意識を失った。
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