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暗い…
私は未知の世界に立っていた。
真っ暗な世界。
しかし天上には光輝くものがあり、地面はただの地面ではない。
そう、私は今、月に居るのだ。
しかし、もう…ダメな気がする。
トニーは凄いスピードで飛んできた隕石に頭を打って死んだ。
それだけではまるでギャグコメディのようだが実際に死んだのだ。
レベッカは宇宙服が気圧の変化などに対応できず壊れ、そのまま絶命。
そして私は…
「ガガーッ…こちらガガルゴ号キャップガガッーガッー…!応答せよ!こちガガッー…」
電波が悪い。
ノイズだらけだ。繋がらない。
当たり前、か…
スペースシャトルのエンジンが壊れてしまったのだ。
これでは帰れない。
その為に連絡を取らねばならないのだが
この調子だ。
つまり私は宇宙空間で独り孤独に死ぬのだ。
ついさっきまで混乱していたが今ではすっかり冷静になった。
…走馬灯か?三人で任務の合間に行った日本のショッピングが忘れられない。
私は月の海に行った。
といっても大きなクレーターなのだが…
一番深いところに滑り倒れる。
…星が綺麗だ…
死ぬ前にこんなに綺麗なものを見れるなんて…私は幸福者かもしれない。
いや、こんなところで死ぬのだからやっぱり不幸か…
酸素が足りなくなってきたんだと思う。
頭がクラクラし始めた。
「私は宇宙空間で死ぬのね…」
死ぬことなんて怖くなかった。
私はゆっくりと瞼を閉じた。
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