1━報道~News~

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マスターはいま、宇宙飛行士の話題でお熱だ。 僕はマスターが仕事をしない分働くことになった。 しかしいまは一人じゃない。 アルバイトの単調がいる。 と言ってもあまり人が来るお店じゃないから… 「せんぱーい!」 単調は元気だ。 少し分けて欲しいな。 「なに…かな?」 「仕事そろそろ上がりですけど、いいんですか?」 あ、もうそんな時間か。 「あ、でも…」 「まーた忘れてたんですか!?仕方ないですねー。いいんですよ!私がやっときます!」 でもな…なんか悪いし… そう思いつつ帰りの準備をしてしまう。 「じゃあ、僕はこれで…」 「おつかれさまー!」 外は雨が降っていた。 それを知ってか外には篝火が立っていた。 「兄さん、これ」 傘を渡してくれた。 「あぁ、ありがとう…」 「あぁ、良いって。兄さんが風邪ひいたら大変だし」 渡された傘をさして歩く。 ピチャ…ピチャ… まんべんなく降っているのか水溜まりでなくても雨がはねる。 「やっぱり…平和が一番だよね…」 そんな言葉が口から出た。 「もし、大変なことが起きたら俺が兄さんを守るから」 「たのんだよ」 苦笑しながら言う。 ピチャ…ピチャ… ん?なんだろ。 無駄に水がはねる。 ピチャピチャ…ピチャピチャ… まさか…!! 「篝火!下がって!」 先手必勝。 案の定後ろには男がいた。 僕は傘を男に叩きつけた。 男はよろめいたがそれほどのダメージは与えられてないようだ。 「痛いじゃねぇかぁ…兄ちゃん」 偶然なのか雨がやんだ。 僕には関係がないけど。 「それ以上近づくと…」 「ほう…なら近づかない」 男は少し距離をとった。 飛び道具でも持っているのかな? 「兄さん…俺も…」 「ダメ、まだだよ。それにここは僕に任せ…」 キュン! 僕の頬になにかがかすった。 男はなにも持っていなかった。 しかし手の形は… 「銃…?」 「おぉ、よくわかったねぇ、兄ちゃん。そうさ、俺は銃だ。」 ダンダンダン!! 銃声が鳴る。 僕は走り抜ける。 キュン! 「あぐっ…!」 左足をやられた。 流石に逃げられないか… 僕は動けなくなりその場に倒れた。 「呆気ないねぇ」 男が歩み寄ってくる。 しかし男はなにかにぶつかり壁に叩きつけられた。 「よくも兄さんを…」 篝火だ。ぶちギレの。 篝火の回りには水が龍の形を纏い咆哮をあげていた。 男は壁に叩きつけられたはずなのに立ち上がった。 「面白くなってきたねぇ…!!」 「殺す…兄さんを傷つけたもの全て!」
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