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「せんー!」
「んぁ?」
喫茶店を後にした俺達は行く場所もなくとりあえず公園のベンチでくつろいでいた。
一時期は雨が降ってどうしようかと思ったがなんとかなった。
身八は眠たそうな顔をして俺の方にもたれた。
こう見ると…
こいつって普通に可愛いよな。
髪の毛が俺の首もとにあたりくすぐったくなる。
俺はなぜだか身八の頭にポンっと手を置いた。
「このままさ…」
「ん?」
「このまま平和に暮らしたいよね…」
「…だな」
平和。
それは当たり前であって失いやすいもの。
俺もあんな出来事があったら平和がどれだけ幸福なことか実感する。
なにも起きないといいな…
「あのさ、今夜、久々にしない?」
ドキッとした。
突然何を言い出すかと思えば。
「き…急にどうした!?」
身八が顔をこちらに向けた。
やめてくれ…
「ダメ…かな?そんなにしてくれないからさ…」
「あ、いや…ダメじゃないんだけどさ…」
「けど?」
そう凄まれたら断れない。
元々ぼくはそう言う行為に興味なくはないが二の次レベルなのだ。
だから最初のはトラウマ…
「そんなに…あの、上手くないからさ…」
精一杯の言い訳だ。
「そんなの関係ないよー好きな人とできればそれだけでいいじゃん。上手い下手は関係ないよ!」
思わず納得してしまう…
「あーじゃあ、今夜ね。今夜しよう」
あーなに言ってんだろ。
「やったー!嬉しい!」
本当に嬉しがっている。
こんな感じだけど俺は幸せを感じている。
この力はもう使いたくない。
俺は戦いたくない。
所謂弱くなった、というものかな?
けどそれに恥を感じない。
戦いは終わったのだ。
だから強くある必要がない。
こうやって生活するだけでいいのだ。
「あ、そうそう旋!」
呼ばれたので身八の方を向いた。
そのときだった。
唇になにかが触れた。
身八の顔が目の前にあった。
「!?!?!?!?」
突然の出来事に顔が真っ赤になり頭のなかが真っ白になった。
身八は俺の顔を掴み離そうとしない。
そろそろやばい気がしてきたので無理矢理ひっぺがす。
「と…突然なんだよ!?」
身八の顔は安定の笑顔だった。
「今日、奢ってくれたお礼だよ♪ほんとに可愛いんだからさー」
はぁ!?
お礼はともかく可愛いだと!?
この人は突然こういうことをしたくるのだ。
嫌ではないけどされてるこっちの身にもなってほしい
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