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「失礼致します。
カルドただいま戻りました」
「うむ、ご苦労。
入るが良い」
ふすまの中からごきげんな声が返ってくる。
「はい、失礼致します」
カルドがゆっくりとふすまを開けるとそこには女をはべらせた王の姿があった。
「それでちゃんと皆殺しにしたのであろうな」
「仰せの通りに。
しかし何故あの村を皆殺しにしたのですか?」
「あの村からわしへの暴言が聞こえたのでな。
皆殺しにしてやったのよ」
「なっ!?」
それを聞いてカルドは唖然とした。
たったそれだけで・・・たったそれだけの事で村人を殺させたのか!
「わしがおらねば何もできぬ癖にわれの悪口など聞くに堪えぬわ。
下賎なものは黙って王たるわしの命令を聞いておれば良いのだ」
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