一幕

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「貴方はこの国の民をなんとお考えか!」 「何を言っておる。 そんなもの虫と同じよ。 わしの為に生き、わしの為に死ぬそれが民よ」 「それではいつか必ずこの国は滅びます!!」 「この国はまだまだ集落が沢山ある。 滅ぶことなんてありはせぬ」 「っ!? そんなこと! ・・・いえ、すみませんが私は疲れているようです。 少し部下と酒でも飲んで休息させていただきます」 カルドは反抗しようとしたがやめた。 もう何もかもが遅いのかもしれない。 「よいよい。 わしは主を信頼しとるでの。 わしから良い酒を贈ろうぞ」 「は! ありがとうございます。 部下の疲れもとれるでしょう」 カルドは心を殺していく。 これが命令なのだ。 自分が命令に逆らえば自分の部下の命も危うくなってしまう。
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