出会いは突然に

15/20
前へ
/47ページ
次へ
「えっ……」 七瀬先輩が明らかに嫌そうな顔をする 「冬馬、あたしの命令が聞けないの!?」 ひどい言われようだ 「お話するだけなんだし、美雨も良いですか?」 「えっ……あ、うん」 「いいってよ、美雨」 美雨と僕は七瀬先輩と一緒にリムジンの中に乗り込んだ 「そ、その、二人はどういう関係なんだ?」 向かい側に座る七瀬先輩が聞いてくる 「幼馴染です」 「奴隷よ」 どうして意見が食い違うのかは無視しておこう 「赤山は……好きな人とか居るのか?」 なんとも苦手な質問が来たものだ 何も出来ない僕を好きになってくれる人が居る訳がなかろう、無駄な恋をすると傷つくのは自分自身なのだから 「僕が好きになってもどうせ振られるのがオチですから」 頬をかきながら苦笑いをする 「そ、そうか」 それよりも、先輩の話とは何なんだろうか リムジンに揺られながらただ家につくのを待った
/47ページ

最初のコメントを投稿しよう!

154人が本棚に入れています
本棚に追加