出会いは突然に

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「……がはっ」 「あはは、だせえ」 痛すぎ 息するのすら痛いんですけど冗談抜きで 「何も言えないんですか?あ?」 頭をグリグリと踏まれる あれから数分殴られ続けた 主人公補正はどうやら僕を見捨てたようだ 口から血を吐いたのは初めてだ 「も、もうやめて……」 「なんだ?なら俺達とホテルに来るか?」 「……」 七瀬先輩が黙って首を縦に振る あぁ……僕ダサすぎる なにしてんだろ 「……ぺっ」 力が入らない体を無理やり起こし、七瀬先輩を連れていこうとする男の顔に血を吹きかけた 「……あ?」 「バーカ」 へたれな僕はこれ位しか出来ないけど これで充分だ 「……っ!」 真正面から顔面に拳を受け、せっかく買ったコンビニ袋に突っ込む あぁ……夜ご飯が…… 「ちくしょう、舐めやがって」 「……ふふふ」 「てめえ、何笑ってんだ?」 どうやら僕のノルマは達成したみたいだ ピーポー 「まさか」 警察のサイレンが鳴り響く 時間稼ぎはどうやら成功したみたいだ 「……やべえ!!!」 「逃げろ!!!」 二人の男が逃げて行く 「……いてて」 僕も厄介ごとに巻き込まれるのは勘弁だ 「……あ、あの!!!」 何かを七瀬先輩が言おうとしてたが、駆けつけた警官にかき消され、何を言おうとしてたのか聞こえなかった
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