夜の邂逅

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 同時進行で炊いてあったご飯の上、出来上がったルーを盛り付ける。二人分よそってからおさなめと一緒に元いた部屋まで戻った。  真央が「いただきます」と手を合わせるとおさなめも倣って「いただき、ます」と真似をしたので母性本能がくすぐられた。男にはあっちゃならないものだ。  もういっそのこと自分が親になりたいぐらいだが、そう現実は甘くない。捨てられたと言っても事実上はまだ養って貰ってる状態なのでその上で「幼女拾った」なんて話がまかり通るはずもなく、結局は国を頼るしかないのだ。  おさなめは黙々とカレーを食す。顔に出ないため美味しいのかそうでないのか分からない。真央からしてみればもう少し舌が焼ける感じが好みなんだけど、これはこれで美味しいと自画自賛ながらに思う。 「おさなめ、どうかな?」 「……甘くない」 「えっ!?」  そんなはずは、と真央は自分のカレーをよく咀嚼しながら甘さについて言及する。やはりとびきり甘いではないか。  それともおさなめにとってはこの辛さはまだまだ慣れていないのだろうか。真央とおさなめは年齢が離れていれば感じ方だって違う。 「さっきの、がいい」 「さっき?」 「とっても、甘かった」  ここへくるまではて自分は少女に何をあげただろうか。おさなめは無表情なりに期待を込めたような目で真央を見る。  そんな見つめられてもこれ以上あげるものはなにも――その時、おさなめの視線が真央自身に向けられていないことに気付く。  よく目を凝らせば、いやいやそれはないと真央はかぶりを振る。真央の服で覆われていない赤く滲んでる皮膚が、まだかさぶたになっていなかった。おさなめのことに気が取られっぱなしでそういやまだ自身の手当てがまだだった。  しかし、それとおさなめの視線の先がどう関係あると言うのか――  この少女は最初自分になにをした? 「まお、とっても、甘かった」 「……っ!」  全ての食い違いに気付いた真央は勢いよく座ったまま後ろに下がる。おさなめは首を傾げてそんな真央を見つめる。  
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