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昼休み。
俺はいつものように武器の手入れをしていた。
『プルルルル』
【携帯電話】が鳴った。
誰からだ?
携帯をポケットから取り出すと……。
五月からだ。……は?
なんでアイツが俺のメアド知ってるんだよ!
ますます気持ち悪いぞ。
俺が携帯を無視したそのとき――、
「ムグロー!なんででないわけぇ?
私ここまできちゃったじゃない!」
五月が来た。
はやくね?
無視第一だ。
俺は五月を無視して武器の手入れをした。
「無視すんな!せっかく、先輩が美味しい美味しいお菓子
あげようとおもったのにぃー」
五月がポケットから【マカロン】を取り出し、俺の目の前で食った。
餓鬼じゃあるまいし、そんなのひっかかんねーって。
無視だ無視。
「ふぇっきゃくあげりゅっふぇいっふぇふほひー」
食いながら喋ってるし。
何いってるのかさっぱりだ。
「はいはい、何言ってるのかさっぱり分かりませんけど、
俺に何か?」
うっとうしくなってきたのでつい喋ってしまった。
「せっかくあげようとおもったのにー、だよ。はいどうぞ」
俺は五月からマカロンをもらってしまった。
「あの、いり――」
「ありがとう、もらってくれて」
うわ、うぜー
俺がいりませんと言おうってときに話しやがって。ウザイ。
俺のウザイ人リスト第一号の女だ。
あとでかいとこっと。
「明日、6番地集合ね。
依頼主がそこでまってる」
「依頼もらうの早いっすね」
「ムグと私の最初の依頼を早くGETしなくてどうする!」
「どうしようもしませ――」
「大事な依頼よ絶対来てね!」
まただ。
ったくめんどくさい先輩だ……。
こうして俺のぴくりとも動きのしなかった歯車が、
動きだした気がした――。
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