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俺の家は一般家庭より少し裕福なだけで、金持ちってわけじゃない。ここの受験料がバカ高いから俺が主席になって授業料食費その他諸々免除権をもらったんだ。
それなのにまた金を遣わせるつもりか?
「うちが破産したらどう責任とるんです?ここの箱入り坊ちゃんみたいに金持ちじゃないんです、たかが水で千円も取られてちゃやってらんないですよ」
そう、ここ文月学園は生活用品諸々全てが高いのだ。高級な水が高いのはわかるが自販で売ってるごく普通の水が千円だ。ぼったくりにもほどがある。
これは余談だが炭酸やお茶など水以外の飲料水は千円以上する。
「金銭面の問題により部活なんかやりません」
「なら、仕方ないか…なら親衛隊が嫌な理由はあるか?」
親衛隊が嫌な理由、ね。
「去年のアレですかね。全て回避しましたけど俺にしたことの事実は変えられませんから」
「今の親衛隊は前とは違うぞ」
「知ってますよ。全員、俺に土下座してきましたから。中にはスライディング土下座もしてきた奴が居ましたね」
別に親衛隊は嫌いじゃない。去年のあれはいきすぎたってだけであってちゃんと謝罪してくれたから俺としてはどうだっていいんだ。
「ほかにもあるのか?」
「めんどくさい」
「本音だろ」
「はい。何で親衛隊の子とキャーキャー騒がなきゃならないんですか?なんか会議とかあるそうじゃないですか。面倒なんでやりたくないですね」
「、そうか……わかった。親衛隊に入れよ」
「は?」
「何でもかんでもめんどくさいめんどくさいって!世の中そんな甘くねーぞ!」
確かにそうだが。それは認めるがな?……親衛隊に入るのと世の中は関係ないだろ。
「やること無いんだったら親衛隊はいれ!」
「金のかからない部活なら入ります」
「柊沢!柔道部来ないか!?」
「いや!剣道!」
「空手来いよ!なっ!?」
「帰宅部入ります」
知ってるか教師ども。帰宅部だってちゃんとした部活なんだからな?
学校から家まで無事に帰ることが主な部活内容であり、尚且つ部活を休むことはまずない!学校を休まない限り!
「金掛かりませんし」
「あ、ならオカ研とか漫研入ればいいんじゃね?」
「……オカルトも漫画も特に興味ありませんし」
「生物部は?部費いらねーぞ?」
生物部、か……。なら委員会入った方がいいんじゃないのか?
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