紅蓮

目覚め

焔は幼心に怖い話だと言うことだけ認識して怯えていた記憶を思い出していた。

よくよく思い出せば、母親から人を憎むなと言い聞かされて育ってきた。

母親はなぜあぁなったのだろうか？

焔は自分にも相談出来なかった母親の気持ちに気付いてあげられなかったことを悔やんだ。

そして母親は殺意を抱くほど憎かった相手がいたのだろうかと考えた。