紅蓮

目覚め

母親の大切にしていた古いからくり人形が俺の足元で動いている。

人形は髪の毛をまるで生き物のようにウネウネと動かしていた。

カタカタと音を鳴らして瞳が紅くぼんやりと輝いた。

「うおああああああああああああああああああああああああ」

あまりの驚きに思わず叫び声をあげてしまった。

俺はビクッと体を後ろにのけ反らせる。

タンスにぶつかり、上から薬箱が落ちてきた。