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「おっはよー!」
朝4時からとある女子高生の甲高い声が街中に響きわたった。
道路に立つそのジャージ姿の女子高生の視線の先には、先ほどの大きな声の挨拶に驚いている、ランニングシャツにももひきという、定番の格好をした男性の老人が映っていた。白い犬を赤いリードで引き連れている。その老人は一瞬、眼をパチクリさせながらも、にっこり笑ってこう答えた。
「おはよう!いつも早いのう!」
女子高生もにっこり笑い返しながら、
「おじいちゃんもいつも元気だね!朝とっても気持ちいいね!」
「そうじゃの!婆さんはまだ寝てるというのにひかりちゃんは元気で、その元気を婆さんに分け与えられんもんかのー」
すると白い犬が吠える。
「ワンワン!」
女子高生の名はひかり。この街一番の元気な女子高生だ。
ひかりは白い犬に語りかけた。
「ゴンも元気に散歩しなよー!」
「ウー、ワン!」
ひかりは何かひらめいた様な顔をして、そのおじいさんに話しかけた。
「おじいちゃん、ゴン借りていい?」
おじいさんは顔色一つ変えずに、
「ええよ。そのかわり今度、制服姿をわしに……」
「ありがと!」
ひかりはそういうと、おじいさんのエロい戯言を聞く前にゴンのリードを掴んで走り去って行った。
「うむ。若いっていいのう」
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