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俺の名前はゆうすけ。とにかく儀式というのはかったるいものだ。
新入生入場、国歌斉唱、校長先生の式辞、新入生代表の宣誓、校歌斉唱。
県内ではもちろん、国内でも超有名私立高校である故、その厳かな入学式の進行と生徒一同の静粛が妙に俺には滑稽に感じられた。俺はこの高校に入りたい訳じゃなかった。
特に夢なんて抱いているわけじゃないけれど、それでも誇りはあるつもりだ。国内の立派な大学に行くことぐらいが俺の目標。だけれども、そのためのステップである進学校に受験で落ちた。仕方なく第二希望であるこの桜華高校に入学した。この高校は超有名私立高校と全国で謳われている。しかしその由来は、運動部活動の優秀な成績によるものだ。
決して学力偏差値が高い高校ではない。皆が競って勉強に励む校風ではなく、運動に重きを置いているので、俺は正直終わったと思った。バイバイ大学。
家から最寄りであることと、単に「超有名」と冠がついているから入学。事情はそんなところ。
入学式が終わり、ぞろぞろと新入生たちが校舎に入ってゆく。昇降口にあるクラス発表の掲示板を見て、各々が教室へと入っていく。俺はA組だ。
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