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(いい景色だな。やっぱり春といえば桜だよな)
太陽が輝き、晴天の空模様。グラウンドには野球部、サッカー部、陸上部などの部員達が大きな声だしと共に活動を始めていた。
ベランダには何人か生徒がいたが、ボケーっとグラウンドを眺めるうちに人はいなくなっていた。と思っていたらまだ一人いるじゃん。おっと春は出会いの季節でもあるんだよなあ。例のあの子だ。
横目でちらっと見てその子の横顔を確認。メガネをかけているぞ。よしっ!文化系決定!
(あの子ももしかして勧誘から逃れるためにベランダにいるのかな?しかもよくみたらメガネのレンズ、カトちゃんオヤジがかけてるやつみたいにうずまきの模様が……。ププッ)
俺は笑いをこらえた。ただそれだけなら声をかけることはしないけれど、彼女の横顔からメガネ越しにみえる瞳は、俺の中に訴える何かがあった。
(……)
俺は声をかけることにした。彼女なら声をかけやすいという自信がなぜかあった。俺は彼女の方に歩み寄り、声をかけた。
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