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静かな体育館に私の声が響き渡る。
渡らんでええがな……
それでもしっかり校長先生に視線を送り続ける皆にアッパレ。
「何変な声出してるんですか?」
『……あなた様が脇腹をつついたせいでしょうに』
私の脇腹をつついたはずの張本人が言う。
「は?知りませんよ。」
『罪を認めぬというのか!?』
「なんで見知らぬ奴の脇腹なんかつつかなきゃならないんですか。変態じゃないですか。僕」
確かに。
『疑って悪かったよ。お詫びに名前を覚えて差し上げますんで』
「別に覚えてもらわなくていいです」
ほほう。
『じゃぁ君は一生"君"だね』
そう言って前にクルリと向き直った。
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