奴の名は…

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    ここは…!! 王子様の出番!! こういう時はかっこいい先輩が 【迷ったの?】とか言って手を差しのべてくれるのが定番!! 「そこの君…」 キタッ! 満面の笑みを浮かべて振り返れば 最初に目に映ったのは焼け野原…… 違った。 髪の毛が淋しくなってきたおじさんの頭だった。 「迷ったのかい?」 優しく微笑むおじさんには悪いけど 期待を裏切られた私はガックリ肩を落とした。 トキメキも何もありゃしない。 『はい。迷子です。1-Bのはずなんですけど、場所が分からなくって』 「それはちょうど良かった。私は1-Bの担任なんだよ。一緒に行こう」    
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