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……その後。港の笑顔を見ながら口にした、二週間ぶりのまともな飯は…
…びっくりするほどうまかった。
…息継ぎもしない勢いで食い尽くして満足そうに息を吐いた俺を…
…港が呆れ顔で見ていた。
「…そんなにガッツくと、詰まるよ?会長。」
「あー。…すまん、ここ二週間で、食える時に食っておく癖がついちまってな。」
…ギリっと、港が唇を噛むのが見えて苦笑する。
俺は、大丈夫なんだよ。
大丈夫だ。
…お前が居るから。
微笑みかける俺に、何か言いたそうにしながらも…
…港が、俺のグラスに水を継ぎ足した。
「ありがとう。」
……そう言って、受け取ったグラスを傾けた俺を見つめる、港の瞳が細められた。
…そんな顔をさせるだけの要素が俺にあるとは決して思えないし…
面白みも、可愛気もない人間なのに。
コイツのふとした視線にくすぐったさを覚える。
…けど、悪くねぇな。
そう思って微笑むと、港に顔を逸らされた。
「………もー。かいちょー、なんでそんなに可愛いの?俺、おかしくなりそうだよ。」
…いや、港?大丈夫だ。…お前はとっくにおかしい。
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