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食べ終えた食器を片すと、部屋に戻り…
………その日の夜は、ベットを少し寄せて港の手を握りながら眠る事にした。
…俺だって、科学的じゃない実体の無いものは苦手なんだよ。
…なんてゆうの?幽霊とか、お化けとか。…彼奴等、殴れねぇし。
出てきたら、即座に港を叩き起こす事にする。
手ぇ握り締めてれば、少しだけ安心だろ?
…そんなことを考えているうちに、目蓋が重くなってきたな。
恐怖より、眠気が勝って…
…甘いまどろみの中、港が動いたのが分かった。
「…会長?寝ちゃったの?」
サラサラと髪をすく港の甘さを含んだ声を聞きながら…
…どうしょうもない眠気に抵抗できずに、俺は意識を手放したのが昨日の事だ。
翌日。
………何故か、俺は別々のベットで寝ていたハズの港に抱きしめられていた。
シングルベットに男二人。…狭いし暑いし苦しい。
「おい、港…。起きろ!」
「…ん、もう少しだけ。」
…寝ぼけて港が、布団の中でもぞもぞと動く。
それが、少しくすぐってぇ。
…って、おい。何処触ってをんだお前。
「…おい、コラ。港、寝ぼけんな。」
「ん、会長?」
「そうだ。俺だ。だから、やめろ。」
「…おはようのチューは?」
「………しねぇよ。」
……朝から、こんな図体でけぇ俺にキスされて嬉しいのかよ?お前は。
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