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「……そう思ってんなら、こんな所に来てないで仕事しろ。」
…そう言った俺の言葉に反応して、潤んだ瞳の三上が俺の顔を見上げた。
「……許して、下さるんですか?」
「そのかわり。港には、ちゃんと謝れよ?…とんだとばっちりを受けたんだからな。」
…そう言った俺に、三上は嬉しそうに笑んだ。
「かいちょ、戻ってきて…くれるよね?」
…そう言った柳の真剣な瞳に、戸惑う。
…会長職に戻れとゆう事なのか?
それとも、寮を変えろとゆう事なのか?
もしくは、クラスを元に戻すとゆう事なのか?
…柳の気持ちは嬉しい。
けどな、今の俺は港と離れたくねぇんだよ。
逡巡する俺の肩に、眠っていたはずの港の手が回されて…
…俺は固まった。
「…やだ…っ。」
…悲痛に歪んだ声が、港のものであると気づく。
「っ…会長ー、嫌だ。何処にも行かないで。………俺を捨てないでっ…。」
…首筋を流れる水滴に、戸惑う。
…港が泣いている。
ってか、コイツ起きてた?
「…ちょ、お前泣くな。……ってか、いつから起きてた?」
「タクシー降りたあと。…グスっ…。」
「グスっじゃねぇよ。…重かったんだぞ?」
「…だって、かいちょーの背中あったかいし。…いい匂いが…。」
…そう言って、スンスン嗅ぎだしたソイツを床に放りだす。
「ちょ、会長ひどい。…俺、怪我人。」
「…そんだけ元気なら、絶対に大丈夫だ。つーか、なんだよ。睡眠不足って?」
「…かわいい会長が横に居て、寝れる訳ないでしょ?動画とったり、写メとったり忙しかったし。」
…………おい。
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