…結局、丸く治まる訳だな。

3/4
736人が本棚に入れています
本棚に追加
/41ページ
「……そう思ってんなら、こんな所に来てないで仕事しろ。」 …そう言った俺の言葉に反応して、潤んだ瞳の三上が俺の顔を見上げた。 「……許して、下さるんですか?」 「そのかわり。港には、ちゃんと謝れよ?…とんだとばっちりを受けたんだからな。」 …そう言った俺に、三上は嬉しそうに笑んだ。 「かいちょ、戻ってきて…くれるよね?」 …そう言った柳の真剣な瞳に、戸惑う。 …会長職に戻れとゆう事なのか? それとも、寮を変えろとゆう事なのか? もしくは、クラスを元に戻すとゆう事なのか? …柳の気持ちは嬉しい。 けどな、今の俺は港と離れたくねぇんだよ。 逡巡する俺の肩に、眠っていたはずの港の手が回されて… …俺は固まった。 「…やだ…っ。」 …悲痛に歪んだ声が、港のものであると気づく。 「っ…会長ー、嫌だ。何処にも行かないで。………俺を捨てないでっ…。」 …首筋を流れる水滴に、戸惑う。 …港が泣いている。 ってか、コイツ起きてた? 「…ちょ、お前泣くな。……ってか、いつから起きてた?」 「タクシー降りたあと。…グスっ…。」 「グスっじゃねぇよ。…重かったんだぞ?」 「…だって、かいちょーの背中あったかいし。…いい匂いが…。」 …そう言って、スンスン嗅ぎだしたソイツを床に放りだす。 「ちょ、会長ひどい。…俺、怪我人。」 「…そんだけ元気なら、絶対に大丈夫だ。つーか、なんだよ。睡眠不足って?」 「…かわいい会長が横に居て、寝れる訳ないでしょ?動画とったり、写メとったり忙しかったし。」 …………おい。
/41ページ

最初のコメントを投稿しよう!