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神守にも瀬戸山の言わんとする事は分かる。この世には、数字に表せない数々の不思議な出来事があるからだ。
その思いを突くように、瀬戸山の話は続く。
「現在でも著名な科学者、物理学者、数学者などは、研究の果てには人智の及ばない境地にたどり着くと言う。そしてその仕組みの緻密さに驚くらしい。
彼らはあえて神とは言わないが、そんな時、何かしらの存在を感じるらしい。
科学こそが万能だと吹聴する現在でも、たんぱく質一つ、人工的に作れない。
だが、この地球に溢れかえる命の数、その種類。脅威の一言だ。
『誰かが』作り出したとしか思えない。
学説に於いてもそうだ。
人類は猿から進化した。これが世界の常識だ。
確かに類人猿やホモサピエンスの化石から、進化は読みとれる。
だがしかし──
猿から類人猿への、進化の途中の化石は未だに発見されていない。だから進化が繋がらない。
この事は広く、ミッシング・リング(失われた輪)と呼ばれている。
また、染色体の面でも人類学者を悩ませているらしい。
人間とチンパンジーとは、遺伝子レベルで99パーセント共通しているが、肝心の染色体の数が違う。人間は46本、チンパンジーは48本だ。
染色体には、その生物がどのように成長していくのかという設計図であるDNAが存在する。
人間とチンパンジーとではそもそも設計図が違うんだよ。染色体の数が異なる以上、チンパンジーは人間にはなり得ない。
例えれば……46本の積木と48本の積木とでは、出来上がる形は違うということだ」
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