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──不時着した未確認飛行物体を調べたアメリカは、──これは地球のモノではない、と結論付けた。
それから詳細に調べ上げた末に、ついに反物質リアクターを作りだし、反重力で自由に飛べる船を作り上げたんだよ。
つまり、UFOだ。
もちろん、それには地球外生命体の協力を仰いだらしいがな。
当時は冷戦時代。対立するソ連を上回る技術を得るためならば、多少の犠牲もやむ無しだったらしい。
技術提供の見返りに、地球外生命体には地球上で何をしてもいいとの許可をだした。
彼ら地球外生命体の条件は、
『地球に住む動物を捕獲して調べたいのだが──』
それに対してアメリカは、
「どうぞ、どうぞ、自由に捕獲してください」
『捕獲リストには人間も含まれるが──』
「どうぞ、どうぞ。お好きなように」
もちろんそれには、日本人もかなり含まれているがな──。
「ロズウェル事件は事実だ!」
太田黒の口調はまるで、昨日見たテレビドラマを話すかのように、感情一つすら見えない。その言葉からは命の重みすら感じない。
──この男はこわい
その思いは内心に落とし佐川が尋ねた。
「なぜ首相は、そこまでご存知で……」
ふんと鼻を鳴らし、当たり前だと応えた。
「ダラス大統領から、直接聞いたからな」
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