彼方からの贈り物

21/24
前へ
/27ページ
次へ
  ──不時着した未確認飛行物体を調べたアメリカは、──これは地球のモノではない、と結論付けた。 それから詳細に調べ上げた末に、ついに反物質リアクターを作りだし、反重力で自由に飛べる船を作り上げたんだよ。 つまり、UFOだ。 もちろん、それには地球外生命体の協力を仰いだらしいがな。 当時は冷戦時代。対立するソ連を上回る技術を得るためならば、多少の犠牲もやむ無しだったらしい。 技術提供の見返りに、地球外生命体には地球上で何をしてもいいとの許可をだした。 彼ら地球外生命体の条件は、 『地球に住む動物を捕獲して調べたいのだが──』 それに対してアメリカは、 「どうぞ、どうぞ、自由に捕獲してください」 『捕獲リストには人間も含まれるが──』 「どうぞ、どうぞ。お好きなように」 もちろんそれには、日本人もかなり含まれているがな──。 「ロズウェル事件は事実だ!」 太田黒の口調はまるで、昨日見たテレビドラマを話すかのように、感情一つすら見えない。その言葉からは命の重みすら感じない。 ──この男はこわい その思いは内心に落とし佐川が尋ねた。 「なぜ首相は、そこまでご存知で……」 ふんと鼻を鳴らし、当たり前だと応えた。 「ダラス大統領から、直接聞いたからな」   
/27ページ

最初のコメントを投稿しよう!

22人が本棚に入れています
本棚に追加