彼方からの贈り物

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       「そう言われる事は分かっていましたので、今日の報告にしました」 神妙なその話し方だと以前からその天体の動きを把握していたようだ。 ──なかなかやるじゃないか。 瀬戸山は、神守の仕事ぶりを認めながらも意地悪く、成長を確かめたくなった。 薄い笑みを浮かべる。 「それじゃあ、すぐに報告をしなかったのには、何か重大な理由があるんだろうな」 瀬戸山にしてみれば、勤務中の単なる息抜きの積もりだった。せっかくのイブ、仕事でなければ五歳になる娘と愛する女房と三人、それなりにクリスマスを祝っていたはず。だから、多少お祭り気分だったのは仕方ない。 だが、神守は違った。余裕のない表情が真剣さを如実に語っている。暖房が効きすぎた訳でもないのに、額には汗が滲んでいた。 ──何だよ、ただの軌道外れの話じゃないのかよ。 そう思った瀬戸山のクリスマス気分が吹き飛ぶまで、たいして時間はかからなかった。 神守は、プリントアウトした用紙を手に瀬戸山のデスクに寄る。 爆弾のような言葉だった。 「地球に衝突する可能性があります!」    
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