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「まさか? おいおいおい、冗談じゃねぇぞ……」
言葉を無くす瀬戸山の脳裏に浮かんだのは、2013年2月15日にロシア・ウラル地方チェリャビンスク州に落下した隕石だ。
連日、ニュースやネットで世界中に動画が配信されたことは、まだ記憶に深く刻まれていた。
直径十七メートル、質量一万トンの小惑星が、秒速十八メートルの速度で地球大気圏に突入した。
しかし地上二十キロの高度で爆発したおかげで、被害は最小限にとどめられたのだ。
爆発の際の衝撃波で建物のガラスがふき飛び、扉が壊れるという被害はあったものの、一人の死者も出なかった事は、不幸中の幸いだった。
もしもあのまま地上に激突していれば、推測だが広島型原爆の二十五倍のエネルギーを受けていたはず。当然、一瞬にして都市は壊滅し、被害は甚大に膨れあがっていたことだろう。
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