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闔閭「先生の著作十三篇はすべて読んだが、宮中の婦人で少し軍の指揮を見せてもらうことはできるか」
孫武はこれを了承した。
孫武は宮中に仕える、
女性180人を集合させて、二つの部隊とし、
武器を持たせて整列させ、王の寵姫二人を
各隊の隊長に任命した。太鼓の合図で左や右を向くように命令してから「右!」と太鼓を打つと、
女性たちはどっと笑った。
孫武は「命令が不明確で徹底せざるは、将の罪なり(自らの責任)」と言い、
命令を何度も繰り返した後に「左!」と太鼓を打つとまた女性たちは、
どっと笑った。
孫武は「命令が既に明確なのに実行されないのは、指揮官の罪なり」
と言って、
隊長の二人を斬ろうとした。壇上で見ていた闔閭は驚き
「将軍の腕は既によくわかった。余はその二人がいないと飯が美味くないので、(ご飯が喉を通らん)斬るのはやめてくれ」
と止めようとしたが、
孫武は「一たび将軍として任命を受けた以上、陣中にあっては君命でも従いかねる事がございます」
と闔閭の寵姫を二人とも
斬ってしまった。
そして新たな隊長を選び
号令を行うと、今度は女性部隊は
命令どおり進退し、粛然声を出すものもなかった。
(これに関しては、ひでえと思った)
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