プロローグ

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一日二時間のピアノ教室でのレッスン終え、私は楽譜をしまおうと手を伸ばす。 その時、部屋の扉がノックされ、その扉が静かに開いた。 そこに立っていたのは、この教室の先生と見慣れない男の子。 年齢は5歳くらいだろうか。 身長が私より大分小さい。 隣の先生が、遠慮がちに私に声をかけた。 「ごめんね麻貴乃ちゃん。ちょっと、この子見ててくれないかしら?この子、今度からここに通う子なんだけど、落ち着きがなくてねぇ…。目を離すとすぐに何処かに行っちゃうのよ」 「…わかりました。大丈夫です」 「ほんと?助かるわぁ。じゃあすぐ戻るから、この部屋でお姉さんと待っててね。たくみくん」 そう言い残すと、先生は扉を閉めて部屋は私と男の子の2人きりになった。
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