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他人には他人の人生があるように、俺には俺の人生がある。
他人には極力関わらないし、此方に関わらせない。
だが、他人はそれを良しとしない。
誰かは誰かを軽視し、或は価値を計ろうとする。
愚かなことだ。
だが……計られ、軽視されるくらいなら。計り、軽視する側にならなくてはならない。
食われる側から食う側にならなくては。
その立場から落ちれば本当の意味で道化になる。
食われ、食われ、食われ尽くされ、奪われて弄ばれた挙げ句、魂を殺される。
そうだ、逃走も従順でも解決しない。
能力を得る前にいつもやっていた事だ。従順なフリをして、裏を掻け。
降りかかる火の粉は払うしかない。
本性を見せたら殺せばいい。
それよりもだ。組織云々なんぞよりも大切なことがある。
家族を殺され、復讐の鬼となった西園の願い。
それを聞き届けたものが、仇である里中を殺した犯人だ。
結末の確認がまだ済んでない。
煉の所属する組織に邪魔されたからだ。
罠にハマった俺にも落ち度はある。
今後は気を付けよう。次からは殺せる場で直ぐに殺す事にしよう。
どうせ吉津根美山は西園が殺人をした現場。
潰れた寺だか神社がある。
奇妙な偶然だが、そこで戦うってなるならやはりそれと戦うんだろう。
それの能力は一度見ただけだが……。
赤い服にドクロのような顔。
あれが殺したと思われる死体はミイラ化している以外外傷は恐らくない。
あの能力は、具体的にどんな力が作用するのかが気になるな。
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