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海留(かいる)は物憂げな仕草でベッドに体を起こすと室内を見渡した。
昨日自分をここまで連れてきた男の姿はない。
(どこ行ったんだろ…。それにしても、何もない部屋だな)
海留は心の中で呆れたように呟いた。
家具と呼べるものは一切なく、床にはポツンと一台のノートパソコンと数枚の書類が散らばっている。
ベッドから這い出て窓に近づいた。
そのベッド脇の広い窓にはカーテン代わりなのか、遮光性も何もなさそうなただの白い布が乱暴に押しピンで留められている。
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