第一章

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小濠公園と呼ばれる大きな池のある公園のすぐ脇に建つ駿一の住むビルは、どこかの階に老婆が営むスナックがひっそりと入居しているくらいで、ほとんどテナントは入っていない。 エレベーターの無いその古いビルの階段を上って三階にある部屋の扉を開ける。 そこは居住空間というより使われていない事務所といった空間だった。
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