97人が本棚に入れています
本棚に追加
「寂しくなるね」
艶やかな黒髪を束ねながら、一葉が呟く。
半分物置と化している、薄暗い教室。
見る人によっては気味が悪い印象を受ける場所でも、彼女達にとっては何よりも大切な居場所だった。
「未来の大女優、ニイナ様が居るって言うのに……新入部員0なんて有り得ないわ!」
「あはは、自分で言っちゃう?」
栗色のショートヘアを揺らし、座っている椅子をガタガタと鳴らすニイナが、ふと立ち上がって。
「ね、最後に練習……付き合ってよ?」
最初のコメントを投稿しよう!