第一話・シンデレラ

4/6
前へ
/6ページ
次へ
目を開けると…… ??? 「思ったより来るの早かったね」 「えっ?」 誰? この背の高い美人さん。 私より少し年上なのかな。 髪は茶色いストレートのロングヘア。 緑のギンガムチェックのパーカーを着て、フードを被ってる。 ナナミ 「アタシはナナミ。これからアンタと一緒に童話の世界を冒険するよ。ま、この世界の案内人ってトコだね」 「えっ?」 童話の世界……? そ、そう言えば、いつの間にか森の中にいる……。 さっきまで自分の部屋にいたはずなのに! でも、だからって、童話の世界って……! ナナミ 「この森を抜けると“シンデレラ”の街に着くよ。さ、ついて来て」 「えっ?」 背を向けて歩き出そうとしたナナミは、立ち尽くしたままの私に気付いて振り向いた。 ナナミ 「アンタ、さっきから「えっ?」しか言ってないけどアタマヘーキ?」 「っ!頭はヘーキだけど!な、なんなのこの状況!?」 ナナミ 「ゲームの開始ボタン押したでしょ」 「まさか……」 私は少し前の出来事を思い出す。 ゲーム開始って所をクリックしたらなんか光って……。 そして私は、ゲームの世界に、来ちゃった……の……? 「……確かに変だとは思ったのよ……。やっぱモバ友にナナミはいなかったんだ……」ボソボソ ナナミ 「何ぼそぼそ言ってんの。わかったなら、サッサと行くよ」 「あっ!置いてかないでっ」 これが夢でも何でも、来ちゃったものは仕方ない。 いつまでも森にいる訳にはいかないし、私はナナミの後をついて行くしかなかった。
/6ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加