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目を開けると……
???
「思ったより来るの早かったね」
「えっ?」
誰?
この背の高い美人さん。
私より少し年上なのかな。
髪は茶色いストレートのロングヘア。
緑のギンガムチェックのパーカーを着て、フードを被ってる。
ナナミ
「アタシはナナミ。これからアンタと一緒に童話の世界を冒険するよ。ま、この世界の案内人ってトコだね」
「えっ?」
童話の世界……?
そ、そう言えば、いつの間にか森の中にいる……。
さっきまで自分の部屋にいたはずなのに!
でも、だからって、童話の世界って……!
ナナミ
「この森を抜けると“シンデレラ”の街に着くよ。さ、ついて来て」
「えっ?」
背を向けて歩き出そうとしたナナミは、立ち尽くしたままの私に気付いて振り向いた。
ナナミ
「アンタ、さっきから「えっ?」しか言ってないけどアタマヘーキ?」
「っ!頭はヘーキだけど!な、なんなのこの状況!?」
ナナミ
「ゲームの開始ボタン押したでしょ」
「まさか……」
私は少し前の出来事を思い出す。
ゲーム開始って所をクリックしたらなんか光って……。
そして私は、ゲームの世界に、来ちゃった……の……?
「……確かに変だとは思ったのよ……。やっぱモバ友にナナミはいなかったんだ……」ボソボソ
ナナミ
「何ぼそぼそ言ってんの。わかったなら、サッサと行くよ」
「あっ!置いてかないでっ」
これが夢でも何でも、来ちゃったものは仕方ない。
いつまでも森にいる訳にはいかないし、私はナナミの後をついて行くしかなかった。
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