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ナナミ
「ここがシンデレラのいる街だよ」
「えーっと、シンデレラが呪われて……その呪いを解けばクリアだっけ」
ナナミ
「そ。アタマオカシイわりには上出来ジャン」
「だから頭はオカシくないんだって!」
ナナミ
「あ!シンデレラがいるよ。さっそく話を聞いてみよう」
「ちょっと、私の話聞いてるっ!?」
私が会ったシンデレラは、童話の通り薄汚れたエプロンを着て、召使いみたい。
でもなんでだろ。
右足、ギプスで松葉杖を突いていて、その瞳は……
シンデレラ
「何か用かしら」
あれ?
一瞬金色に見えたんだけど、よく見ると普通の黒目だ。
気のせいだったのかな。
シンデレラ
「手短にお願いしていい?明日は結婚式だから。王子様と──」
結婚式かぁ……。
私は『シンデレラ』の最後、シンデレラと王子様が結婚するシーンを思い浮かべる。
シンデレラ
「──……お義姉様の」
「えっ?王子様と結婚するのはシンデレラじゃないの!?」
シンデレラ
「どうして王子様と結婚するのは私じゃないの!?」
!!
シンデレラの目が金色に……!
シンデレラ
「『0時の光!!!』」
「な!何!?すごい光!」
ナナミ
「シンデレラの必殺技だよ!気をつけて!」
あまりの眩しさに、私は腕で目を覆って顔を背ける。
光が収まった頃に目を開けると、もうそこにシンデレラの姿はなかった。
「……王子様がお義姉様と結婚するって、どういうこと……?」
ナナミ
「呪いのせいで物語が変わっちゃったみたいだね。手遅れになる前に呪いを解きにいこう」
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