第一話・シンデレラ

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ナナミ 「ここがシンデレラのいる街だよ」 「えーっと、シンデレラが呪われて……その呪いを解けばクリアだっけ」 ナナミ 「そ。アタマオカシイわりには上出来ジャン」 「だから頭はオカシくないんだって!」 ナナミ 「あ!シンデレラがいるよ。さっそく話を聞いてみよう」 「ちょっと、私の話聞いてるっ!?」 私が会ったシンデレラは、童話の通り薄汚れたエプロンを着て、召使いみたい。 でもなんでだろ。 右足、ギプスで松葉杖を突いていて、その瞳は…… シンデレラ 「何か用かしら」 あれ? 一瞬金色に見えたんだけど、よく見ると普通の黒目だ。 気のせいだったのかな。 シンデレラ 「手短にお願いしていい?明日は結婚式だから。王子様と──」 結婚式かぁ……。 私は『シンデレラ』の最後、シンデレラと王子様が結婚するシーンを思い浮かべる。 シンデレラ 「──……お義姉様の」 「えっ?王子様と結婚するのはシンデレラじゃないの!?」 シンデレラ 「どうして王子様と結婚するのは私じゃないの!?」 !! シンデレラの目が金色に……! シンデレラ 「『0時の光!!!』」 「な!何!?すごい光!」 ナナミ 「シンデレラの必殺技だよ!気をつけて!」 あまりの眩しさに、私は腕で目を覆って顔を背ける。 光が収まった頃に目を開けると、もうそこにシンデレラの姿はなかった。 「……王子様がお義姉様と結婚するって、どういうこと……?」 ナナミ 「呪いのせいで物語が変わっちゃったみたいだね。手遅れになる前に呪いを解きにいこう」
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