誤解

33/722
前へ
/2297ページ
次へ
「美しい薔薇には刺があるって言うでしょ。タケル君には無理だよ。もっと忍耐力と包容力のある大人の男性じゃないとね」 学が言った。 「確かに隼人さんは包容力があってタケルよりずっと大人だよ。沙織さんを操縦出来るのは、隼人さん位しかいな……」 慎治が話し終わらない内に、真由美が慎治の腕をつねった。 「痛っ!(><) 真由美さん、痛いよ!」 慎治がそう言って真由美を見ると、真由美は沙織を見てすまなそうにしている。 「どうせ私は刺だらけですよ、悪い?」 沙織は口を尖らせて言った。 そこに沙織の携帯が鳴った。沙織はすぐに携帯を出すと、 「あっ隼人さんだ」 と言って笑顔で話している。 「うん……うん、分かった。じゃ、待ってるね」 沙織は携帯を閉じると、 「ゴメ~ン。今隼人さんから電話があって、仕事が終わったから会いたいって……ウフフ 。すぐ駆けつけるから駅前のマリリンで待っててって言うから」 嬉しそうに話す沙織に、 「あ~あ~あ~」 ため息を洩らし、タケルはガックリと項垂れた。
/2297ページ

最初のコメントを投稿しよう!

485人が本棚に入れています
本棚に追加