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「美しい薔薇には刺があるって言うでしょ。タケル君には無理だよ。もっと忍耐力と包容力のある大人の男性じゃないとね」
学が言った。
「確かに隼人さんは包容力があってタケルよりずっと大人だよ。沙織さんを操縦出来るのは、隼人さん位しかいな……」
慎治が話し終わらない内に、真由美が慎治の腕をつねった。
「痛っ!(><)
真由美さん、痛いよ!」
慎治がそう言って真由美を見ると、真由美は沙織を見てすまなそうにしている。
「どうせ私は刺だらけですよ、悪い?」
沙織は口を尖らせて言った。
そこに沙織の携帯が鳴った。沙織はすぐに携帯を出すと、
「あっ隼人さんだ」
と言って笑顔で話している。
「うん……うん、分かった。じゃ、待ってるね」
沙織は携帯を閉じると、
「ゴメ~ン。今隼人さんから電話があって、仕事が終わったから会いたいって……ウフフ 。すぐ駆けつけるから駅前のマリリンで待っててって言うから」
嬉しそうに話す沙織に、
「あ~あ~あ~」
ため息を洩らし、タケルはガックリと項垂れた。
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