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「これから飲みに行かないですか?」
慎治と真由美を見送った後、タケルが雅史と学を誘った。
「別に良いけど、もう遅いからなあ。どうする?」
雅史が学を見た。
「今度仕事が早く終わった時にしましょうよ」
学も、時間が遅いので帰るつもりでいた。すると、
「そうですか……」
タケルがガッカリしたように項垂れた。
「分かった、分かったよ。それじゃ1時間だけ付き合ってあげようか」
雅史が言った。
「うん、僕も付き合ってあげるよ」
学はタケルの肩をポンと叩いた。
「有難うございます。何か今日はもっと飲みたい気分なんですよ」
タケルは笑顔になった。
「それじゃ、この辺の店に入ろうか」
雅史がそう言うと、
「何処でも良いです」
タケルが言った。3人は居酒屋『遥奈』と看板の掛かった暖簾をくぐった。
タケルがこのまま帰りたくないと思ったのには訳があった。
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