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「僕達の友情に乾杯ってこと」
雅史が言うと、
「そうか。なるほどね」
学もニッコリ笑って言った。
「有難う。そんな風に言って貰えると嬉しいな」
タケルは雅史と学から友情と言う言葉を聞いて素直に嬉しかった。
「乾杯」
「乾杯」
「かんぱ~い」
グラスをカチンと鳴らして3人で乾杯すると、それぞれゴクンと酒を飲んだ。
時間が遅かったこともあり、この店は1時間ほどしかいなかったが、タケルは雅史や学と絆が少し深まったように感じられ楽しいひと時だった。
帰りの電車は、終電の1つ前だったので空いていた。
タケルは椅子に座ると、窓の外の過ぎ行く夜景をぼんやり見ていた。
『ほのぼの書房』の人達って皆良い人達だな。この会社なら多分正社員で採用してくれたと思う。
給料はそんなに多くはないけど、やり甲斐が持てる仕事だし何より楽しい。
なかなか仕事が決まらなかったから、麗華の父親が経営する会社に入社出来るように頼んで、憧れの一流会社に内定が決まったというのに、あまり嬉しいと思えない。
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