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翌日の朝、真由美が早起きして朝食の準備をしているとチャイムが鳴った。覗き穴から見るとどうやらめぐみのようだ。
真由美がドアを開けると、
「ウフフ……。昨日、慎治さん泊まったでしょ」
ニタニタしながらめぐみが言った。真由美が照れくさそうにしていると、
「それより、これ食べて。夕べ作り過ぎちゃってさ」
めぐみは肉ジャガの入った小丼を真由美に渡した。
「有難う。さっそく頂くわ」
真由美がそう言った時、慎治が来た。
「あれ、めぐみさん。おはようございます」
「慎治さん、おはよう。肉ジャガたくさん作り過ぎたんで、もし良かったら食べてね」
慎治は真由美の持っている小丼を見て、
「有難うございます」
と、お礼を言った。
「慎治さんが来たのは分かっていたんだけど、私がお邪魔しようとしたら、伸一郎さんに少しは気を使いなさいって言われちゃったの」
「ハッハッハ。そうだったんだ。
伸一郎さんは空気読める人だからな」
慎治が言うと、
「すいません。空気読めなくて……」
めぐみが首を竦めた。
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