誤解

46/722
前へ
/2297ページ
次へ
「私も分かるわ。めぐみとは長い付き合いだから」 真由美はにっこり笑って言うと、壁掛け時計を見て、 「ところで…、遅くなっちゃうから朝ごはん食べちゃいましょう」 と言った。 「もうこんな時間なんだ。急いで食べよう」 朝食を食べ終え、着替えてマンションを出た。 会社の入っている雑居ビルに到着した。エレベーターを上がり3階の会社のドアの前に来ると、 「真由美さんが先に入ってよ。少し遅れて俺が入って行くからさ」 慎治がそう言い、真由美が 「うん、分かった」 そんな相談をしていると、 「おやおや、2人一緒で仲良いね。真壁君、昨日は山本さんの所に泊まったのかな?」 えっ! その声に振り向くと、社長がニタニタ笑って立っていた。 社長とエレベーターで会わなかったのは、最近太り気味の為階段を上って来たからだ。 「社長、お…おはようございます」 焦って慎治が挨拶した。 いつもは出社の遅い社長が、このタイミングで来るとは予想外だったので、 「お、おはようございます」 真由美も慌てて、そう言いお辞儀した。
/2297ページ

最初のコメントを投稿しよう!

485人が本棚に入れています
本棚に追加