2人が本棚に入れています
本棚に追加
「みーつけたっ!」
ぼんやりと空を眺めていたアークシュタイナーの視界に、突然女の顔があらわれた。
「…っ!」
突然の事に思わずがばっ!と勢いよく体を起こすと、女も慌てて顔を離した。
「突然起きないで!
びっくりするじゃないですか!」
「こ、こっちのセリフだ!」
ドキドキと驚きで落ち着かない心臓をなんとか落ち着かせつつ、まじまじと女をながめてみた。
歳は兄と同じくらいか。
腰より少し長い金髪に、金の瞳、肌は白く大きな瞳でまさに”天使のイメージ”のような美しい女性だ。
白い柔らかい素材の服を着ている為、より一層”天使”だと錯覚させる。
女はちょこんと座っており、びっくりした顔をしていたが、すぐにアークシュタイナーへ笑顔をむけた。
(なんだ…こいつ)
不審な目でみていると、女があっ!と何か思い出した顔をして、さっとアークシュタイナーの手を握る。
「お父様にあなたを探してきてって頼まれたの」
「…は?」
(なんでここにいるのがバレた?誰にもここの事は話していないのに)
驚きに手を振り払うのも忘れていたら、女はアークシュタイナーを立たせ、「お城に戻りましょう」と背中を押して、やや強引につれ帰った。
最初のコメントを投稿しよう!