先輩と後輩

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「それにしても暇っすね」 「ああ……」 小雨がしとしとと降り注ぐ六月の空とは対照的な明るい店内。 人通りが極端に少ない裏通りにひっそりと建つコンビニのレジ裏で俺と後輩は暇を持て余していた。 「こんなにお客さんが少ないのにどうしてこの店は潰れないんですかね」 「……なんでだろうな」 全くいないという訳ではないが、少なくとも一本隣の大通りに面して建っているライバル店とは比べるのが悲しくなるほど客足に差がある。 しかし、それでも開店から約三年、未だに潰れない不思議な店である。 「そういえば先輩、今日は何時までっすか?」 「ん?今日は確か六時までだったかな……」 そう言って俺は壁に掛けられた時計に目をやる。 時刻はもうすぐ五時。俺が店に入ったのが二時だったから、もう三時間も経ったのか。 もちろんこの間来客はない。
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