1人が本棚に入れています
本棚に追加
/10ページ
「「ありがとうございましたー」」
貴重なお客様が店から去り、店内には再びラジオの音声だけが響く。
その後も後輩との他愛もない話は続き、気づけば時刻は六時になろうとしていた。
ふいにバックヤードからガタガタと音が鳴る。
少しの間をおいて扉が開き、店長が店に入ってきた。
「「おはようございます」」
俺と後輩の声が重なる。
「おう、ご苦労さん。お前達、今日はもう上がっていいぞ」
店長がそう言うと同時にラジオから六時の時報が流れた。
店長はすでに棚の整理を始めている。
「「お疲れ様でした。お先に失礼します」」
店長の背中に向かって声を掛け、俺と後輩はレジ裏を後にした。
最初のコメントを投稿しよう!