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「いいじゃないっすか。減るもんじゃないし」
「さっさと店戻って傘借りて来い」
後輩は「ハァ」とため息をつき、店内に戻ってゆく。
俺は小降りの雨が傘を叩く音を聞きながら裏口の傍にしゃがみこんだ。
程なくして後輩がドアをあけ外に出てきた。
俺と後輩は肩を並べ帰路についた。
「今日も平和でしたねぇ」
「平和?」
「お客さんも無くて静かで平和だったって事っすよ。あの店がお客さんであふれ返ってたらきっと不気味ですよ。本当はこんな事言っちゃいけないんでしょうけど」
「まあ、いつも通りが平和だって言うなら、確かに今日も平和だったかもな」
俺と後輩のつまらない話は続く。
前を見るといつも後輩と別れる交差点へと近づいていた。
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