オレと学園生活と生徒会。

2/12
前へ
/13ページ
次へ
この春、オレはめでたい事に有名校の橘学園に入学した。 中学の頃、何の取り柄も無く、誰にも見向きもされなかったオレ【篠山 アツキ】にしてはとても頑張った方だと思う。 …だからオレは浮かれていたのかもしれない 。 これからの学園生活をかけたあんな大事なじゃんけんで 負けてしまうなんて――…。 ―数時間前、帰りのHRで今年1年間の係り決めをしていた。 「…じゃ、図書委員は佐藤に決定だ。はい、拍手!」 パチパチ…と拍手がおこる。 オレはそんな風景を見ながら、すげーなぁ…オレは何にもしたくねーのになぁと思いながら、ふと黒板に目をやる。 「――…次は生徒会か。なかなか決まんねェーだろーなぁ…。」 ハァ…、とため息混じりに呟いていると 「俺も早く帰って新作のゲームしようと思ったのにさぁ~。誰かやってくんねーかなー…。」  コソッと右横の男子に話しかけられた。 同中ではなかったし、全く知らないヤツだ。 誰か分からないといったような目で見つめていると、「ああ、ゴメンゴメン。」と自己紹介をし始めた。 「俺は桂木 ショウタ。中学ん時から橘学園にいたから、分かんないコトとかあったら俺に何でも聞いてくれりゃいいぜ。ちなみにバスケ部の副部長やってる。」 …フッ。コイツ、”バスケ部副部長”のあたりで超顔ニヤケてる。 面白いヤツだな。 「オレは篠山 アツキ。よろしくな。」 オレもそう簡単に挨拶していると 、 「コラアァッ!!篠山ァッ!桂木ィッ!」 と担任にものすごい声で怒鳴られた。 担任の顔がみるみるうちに鬼のような顔に 変化している事に気が付いたオレ達はすみませんでした…、と謝りながら俯く。 ――…しかし。 「みんなに迷惑かけたお詫びとして、オマエらのどっちかが生徒会はいれ。」 担任がこう言った瞬間、クラスメイト達の視線が一気にこちらに降り注いできた…。
/13ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加