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この春、オレはめでたい事に有名校の橘学園に入学した。
中学の頃、何の取り柄も無く、誰にも見向きもされなかったオレ【篠山 アツキ】にしてはとても頑張った方だと思う。
…だからオレは浮かれていたのかもしれない
。
これからの学園生活をかけたあんな大事なじゃんけんで
負けてしまうなんて――…。
―数時間前、帰りのHRで今年1年間の係り決めをしていた。
「…じゃ、図書委員は佐藤に決定だ。はい、拍手!」
パチパチ…と拍手がおこる。
オレはそんな風景を見ながら、すげーなぁ…オレは何にもしたくねーのになぁと思いながら、ふと黒板に目をやる。
「――…次は生徒会か。なかなか決まんねェーだろーなぁ…。」
ハァ…、とため息混じりに呟いていると
「俺も早く帰って新作のゲームしようと思ったのにさぁ~。誰かやってくんねーかなー…。」
コソッと右横の男子に話しかけられた。
同中ではなかったし、全く知らないヤツだ。
誰か分からないといったような目で見つめていると、「ああ、ゴメンゴメン。」と自己紹介をし始めた。
「俺は桂木 ショウタ。中学ん時から橘学園にいたから、分かんないコトとかあったら俺に何でも聞いてくれりゃいいぜ。ちなみにバスケ部の副部長やってる。」
…フッ。コイツ、”バスケ部副部長”のあたりで超顔ニヤケてる。
面白いヤツだな。
「オレは篠山 アツキ。よろしくな。」
オレもそう簡単に挨拶していると
、
「コラアァッ!!篠山ァッ!桂木ィッ!」
と担任にものすごい声で怒鳴られた。
担任の顔がみるみるうちに鬼のような顔に
変化している事に気が付いたオレ達はすみませんでした…、と謝りながら俯く。
――…しかし。
「みんなに迷惑かけたお詫びとして、オマエらのどっちかが生徒会はいれ。」
担任がこう言った瞬間、クラスメイト達の視線が一気にこちらに降り注いできた…。
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