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キーンコーンカーンコーン…
HR終了のチャイムが学校に響き渡った。
一向に終わりそうのない生徒会役員決定に疲れたのか、
気づけばもう誰もこちらを見ていなかった。
「…先生。明日じゃダメですか?コレ。皆、ダルそうですし。」
桂木がチャイムがなっても帰る事が出来ずにいるクラスメイト達に同情して、
担任に尋ねた。
担任はハァ、とため息をつき冷たい目でこちらを睨んでくる。
「こんな状況にしたのは誰のせいだったっけなァ?」
「「「オマエらのせいだろうがァッッ!!!!」」」
なんてクラスだっ!!こんな事でクラス一丸にならなくてもいいじゃないかッッ!!
「俺はこの後、職員会議でそれぞれの決まった役員を言わなきゃなんないんだよ!!さっさとじゃんけんして決めろ!」
担任が苛立ちを隠せなくなってきたのか、さっきから貧乏ゆすりをしている。
このままじゃ、担任を不機嫌にさせるだけだ。
「桂木、もうそろそろ始めよう。」
「お…、オウッ!」
そこから暫しの沈黙が流れた。
皆も再びこちらに視線を向けてきた。
…フゥ、と息をはいてから桂木とオレは右手をグーにする。
「「最初はグー…、」」
ここで負けたら、ここから先の3年間は自由の身にはなれないだろう。
息を呑み、次の勝負の瞬間に全力をかける。
「「じゃんけんほいっっ!!!」」
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