谷本 敦司 たにもと あつし

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教室の扉を開く 皆の目が僕に注がれるが それは一瞬だけで まるで僕なんかいなかったみたいに 教室はいつもの騒々しさに満たされる 誰も僕をみない 僕は顔を下に向け 自分の席へと向かった 机は相も変わらず汚かった それは二つの意味があった まずゴミが乗っている 正確には乗せられている 誰かが鼻をかんだであろうティッシュや 細かい消しゴムのカス ビリビリに破かれたプリント ゴミを片付けるのが最近の僕の日課だ ゴミ箱を持ってくる ゴミを捨てている僕に聞こえてくる クラスメートの声 「 」 僕の方を指差しクスクス笑う
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